日本も昔は鯨油だけ取って肉は捨てていた、って話

以前Twitterで書いた話の焼き直しではありますが。

スネちゃま捕鯨を語る
http://3500131221.blog120.fc2.com/blog-entry-15.html

クジラを乱獲したのは鯨油だけとっていたアメリカだろ!日本は昔からクジラを余す所なく利用していたんだ!日本は何百年間も捕鯨を続けてきたのに、よその国の価値観でその伝統文化を不当に抑圧されているんだ。別に絶滅危惧種をとろうといってるわけじゃないんだ!

はぁ〜。うんざりする俗論だね。それ間違いだから。恥ずかしいからよそでそんなこと言わないでくれよ、ジャイアン。19世紀の中頃にアメリカの捕鯨が日本の沿岸捕鯨にダメージを与えたのは本当だけど、いま特に批難されているのは日本の南極海での捕鯨なんだ。南極海商業捕鯨では日本も鯨油だけとって残りを捨てたりしてたんだよ。おまけに南極乱獲四天王は日本、ノルウェー、英国、ソ連なんだ。20世紀のはじめに各国がこぞって参加して乱獲競争を繰り広げた結果クジラが激減したので、みんなもうやめようぜ、というのが南極の捕鯨なんだ。これについて乱獲四天王の日本に何か特別な権利があるとは思えないね。この辺は「捕鯨問題の歴史社会学」という本に詳述されているようだけど、グリーンピースの資料に引用されているので、こっちの方が手に入りやすいかもね。
http://www.whalelove.org/whales/facts/fact5
(後略)

グリーンピースのページを見に行ったのですが、該当の記事はないようなので、「捕鯨問題の歴史社会学」をAmazonで買いました。

p.48より:

南極海に関して言えば、

鯨油(t)塩蔵(t)その他
1935年2,00628-
1936年7,358264-
1937年26,089270-
1938年64,0441,212212
だそうで。

「クジラを乱獲したのは鯨油だけとっていたアメリカだろ!日本は昔からクジラを余す所なく利用していたんだ!」とはやっぱり言えそうにないです。